2022.7.26

昨日、思い出したかのように、12年前の映画「ノルウェイの森」を観た。

主演は松山ケンイチ、ヒロインは菊地凛子、水原希子。
特に印象的だったのが上の、水原希子演じる緑の家に主人公が訪ねるシーン。

いったいどこをロケハンしたのか、当時調べても出てこなかったし、今調べても分からずじまい。

60年代後半の家の中で、シーンカットは階段を登ったダイニングルーム。

一階から伸びる木の枝葉が青々と磨りガラスや障子の先に見える。

部屋全体が緑のリフレクションを起こしこれ以上の光の演出はない。

2人がベランダに上下に配置されている植木鉢の方を見ながら座って話をしていて、向かいのアパートの窓は近め。

日本では目新しいであろうフローリングと、小さなテーブル、微妙なデザインの椅子、西洋と東洋のアンバランスなミックス度合いがこれでもかというノスタルジックを生じさせている。

自分がこの頃の建築や住まい方に興味があるのはやっぱりこの映画がきっかけだった。

それは、ただ昔のものが良かった、ではなく、50年後に50年前のものをみる感覚が好きなのであって、50年前にその最先端の暮らしがしたかったわけではない。

そう考えると、この映画のセットは最先端のインテリアやアパートメントなのにも関わらず汚れ過ぎているし朽ち果て過ぎている。

なので、当時のリアルを映したわけではなく、50年後の最先端の、ノスタルジーの最先端を映してくれた事になるのでやっぱりこの映画は新しいという見方をするべきだなと勝手に腑に落ちた次第なのです。


しかし、素晴らしい映画。
内容はとても暗いのだけれど。

いつかこの家、出会ったら買いたい。

※ノスタルジックが形容詞ということは承知の上です。

LAPIN ART BLOG

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